遠視と老眼の違い | 近くが見えない・目のピントが合わない原因
「近くが見えない」「目のピントが合わない」というイメージから、遠視と老眼は同じものだと考えてしまう人も多いようです。しかし、遠視と老眼は、それぞれ症状や原因となるメカニズムに違いがあります。
今回は、遠視と老眼の違いについてまとめます。
「遠視」の原因と症状
遠視が起こる原因は、「目に入ってくる光の屈折異常」です。具体的には、角膜や水晶体での屈折率に異常によって、網膜より後方で焦点が合ってしまうため、「近くも遠くも見えにくい、ぼやける」といった症状が現れます。
遠視の代表的な症状
- ものを見る時にピントが合わない
- 特に近くのものが見えにくい
- 目が疲れやすい
- 眼精疲労による頭痛・眼痛
- 集中力の欠如
よく誤解されがちですが、遠視は「遠くが良く見える状態」のことではありません。本来、網膜上で合うはずのピントが網膜の後方で合ってしまうため、遠くが見やすいと感じる人が多いですが、正確には「遠くも近くも焦点が合いにくい状態」です。
遠視では、ものを見る時にピント調節がより多く必要になるため、眼精疲労による頭痛・眼痛などの症状が現れます。
「老眼」の原因と症状
老眼が起こる原因は、「加齢に伴うピント調節機能の低下」です。具体的には、目の水晶体や「毛様体筋」というピント調節を行う筋肉が、老化によって衰えることが原因としてあげられます。
老眼は「目の老化」と表現されますが、他の体の部位の老化と同様、加齢によって誰にでも起こる現象です。一般に、40代前後から症状を感じ始める人が多く、年齢を重ねるにつれて症状は進行していきます。
老眼の代表的な症状
- 近くが見えない・ぼやける
- 夕方など薄暗くなるとものが見えにくい
- 小さな文字を見ていると疲れる
- 本を読む時などに、少し距離を離した方が見やすい
- 目が疲れやすい
- 眼精疲労による頭痛・眼痛、肩こり、吐き気
遠視と老眼の違い
上述のように、遠視と老眼は原因となるメカニズムが違います。遠視は「目の屈折異常」、老眼は「目の老化によるピント調節機能の低下」であり、それぞれ、「近くが見えない」「目のピントが合わない」といった症状が現れます。
そもそもの発生原因が違いますので、遠視や近視の有無に関係なく、加齢に伴って老眼は進行していきます。
よく「近視の人は老眼になりにくい」といわれますが、これは屈折異常によって近くのものが見えやすくなっているため老眼に気付きにくいだけで、目のピント調節機能は確実に低下していきます。
「目の老化」である老眼は、日々の生活習慣の改善や、アントシアニン等の有効成分の摂取、目のトレーニング等の対策によって、予防・改善していくことが可能です。特に、長時間のデスクワークや細かい作業の多い人は、早めに目のアンチエイジングケアに取り組むよう心がけましょう。
まとめ
今回は、「遠視と老眼の違い」についてご紹介しました。
遠視と近視では原因となるメカニズムが違いますが、「近くが見えない」「目のピントが合わない」といった症状は似ています。特に、目がすぐに疲れてしまうようになったり、眼精疲労による頭痛や眼痛、肩こり等の症状が悪化すると、「何をしていても楽しくない」と感じてしまう人も多いようです。
それぞれの原因の違いを理解し、早めの対策を心がけるようにしましょう。