老眼が恥ずかしい… | 眼科で老眼鏡を作っても仕事中にかけにくい

老眼が恥ずかしい… | 眼科で老眼鏡を作っても仕事中にかけにくい

老眼が恥ずかしい… | 眼科で老眼鏡を作っても仕事中にかけにくい

T.Tさん(男性)、60代

今でこそ胸を張って老眼と言えるのですが…

還暦を過ぎ、長いサラリーマン生活を卒業した今ならば、堂々と胸を張って「老眼です」と言えるのですが、40代や50代の現役バリバリ時代にはやはりその言葉に抵抗がありました。そのせいで、胸を張るどころか見栄を張ってしまい、他の社員の前ではメガネをかけずに仕事をすることが多く、毎日が目の疲れとの戦いでした。

誰も近くにいない時にはPC上のドキュメントの文字サイズを大きくし、誰かが近づくと小さなフォントに戻して何の問題もない振りをする。そんなことをしていた結果、夕方には全てがピンボケに見えるようになってしまいました。考えてみれば、本当に見栄っ張りなことでしたし、そしてそれがどれほど目に良くないことだったのか、今ではとても恥ずかしい思い出です。

それは突然の出来事でした

30代後半のある日のことです。7ミリ幅の罫紙に鉛筆で文字や数字を書き込む作業を2、3時間続けていた時でした。目の疲れを感じたので少し休憩しようと目を閉じ、そして数秒後に目を開いたところ、7ミリ幅の罫線と罫線の間にもう1本の線が見えたのです。もう一度目を閉じ、再度開いても同じでした。

「モノが二重に見える」。近くにいた同僚にそう言うと、彼は「脳腫瘍でもできているといけないので医者に行くべき」と心配そうに言ってくれたのです。脳腫瘍なら何科に行けば良いのだろう等と考えながら帰宅し、妻と相談した結果、とりあえず眼科に行くことにしました。

子供の頃から目が良く、視力検査でも両眼共に1.5であったことから、視力関係で眼科を訪れたことはなかっただけに、きっと何等かの病気が潜んでいるのでは、との不安が募るばかりでした。

40歳前で老眼に!

眼科での検査中はモノが二重に見えることもなく、視力も1.2と全く問題がありませんでした。安心するどころか逆に不安な思いで医師に診断結果を尋ねると、その医師はひと言「とりあえず1階の眼鏡屋さんに行ってこれを渡して下さい」と言い、1枚の書類を差し出しました。

早速その店に行き、店員さんにその書類を手渡したところ「老眼鏡ですね」と言ったのです。「え、まさか」と言った私の反応に、その店員は私の目の前で眼科医に確認の電話をしました。そして電話を切ると「やっぱり老眼鏡です」とのこと。「40歳前の私が老眼?視力自慢の私が?」。そう思いながらも、「脳腫瘍よりはマシだ」と自分に言い聞かせて、初めての老眼鏡を作りました。

そして翌日、医者に行くことをすすめた同僚に「少し様子を見ることになった」とだけ伝え、老眼や老眼鏡のことは隠すことにしました。当時の私にとって、40歳前で老眼になってしまったことが、なんとなく恥ずかしいことに感じられたのです。

見栄っ張りライフは楽しくない!

それが見栄っ張りライフの始まりでした。細かい文字の書類は人のいない会議室などへ持って行き、そこでメガネをかけて密かに読み、PC上のドキュメントの文字は前述の通りでした。

そうすることで、会社の中では何とか見栄を張り通せたのですが、問題は通勤途中です。満員電車の中では新聞との距離が近すぎて、老眼鏡なしでは全く読めなくなっていたのです。しかし、同じ時間帯の電車には同僚もいるので、老眼がばれたくない一心で、新聞は早起きして自宅で読んでから出勤するようになりました。

また、月一回のゴルフでは、老眼鏡なしではスコアカードの記入が出来なくなっていたのです。しかし、メガネをかけると老眼がばれるし、老眼鏡をかけたままではボールが打てない、そんな悩みを持ってのゴルフは決して楽しいものではありませんでした。

そんな見栄っ張り人生は50代の半ばで止めましたが、結局見栄を張って良かったことは何もありませんでした。それからは見栄を張らずに胸を張って「老眼なので」と言ってゴルフを楽しんでいます。